家づくりという分岐点で考えること
スタッフブログ
2020/12/18
耐震等級3を無理なく取得する秘訣

耐震基準の最高等級は、
数百年に1度起こる震度6~7程度の地震の
1.5倍の地震が起こったとしても、
倒壊や崩壊しないレベルである「耐震等級3」です。
そしてより強い安心感を
持ちたいとお考えであれば、
「耐震等級3」の取得をおすすめするのですが、
間取りを対する制約を減らしつつ、
この基準をクリアするためには
バランス良く設計しなければいけません。
そしてそのためには、
できれば「平屋」にすることをおすすすめしています。
おはようございます。
松本淳一です。
というのも2階建ての家は、
強風や重量車両の通行による振動
といった外部からの力を、
平屋に比べて受けやすいからです。
また耐震等級3の構造計算をする際、
壁量バランスが非常に大切となるのですが、
2階建ての家は以下のような理由から
このバランスが非常に悪くなってしまうからです。
理由①:1階より2階の方が重くなってしまうから
一般的に2階建ての家は、
1階をパブリックスペースとして設計し、
2階をプライベートスペースとして設計します。「
となると
1階にはみんなが集う大空間の
リビングダイニングキッチンを配置し、
2階には家族みんなの部屋を配置するため、
必然的に1階よりも2階の方が、
間仕切りが多くなってしまいます。
その結果、
2階には1階よりも遥かに沢山の
柱や壁が出来てしまうことになり、
上からの過重負担が大きくなってしまいます。
理由②:南と北の壁のバランスが悪くなってしまうから
一般的な2階建住宅では、
南に窓を沢山つくり、
且つ大きなサイズにする反面、
北には窓をほとんどつくらないですし、
作ったとしても小さなサイズの窓が中心となります。
南からは熱や光をたっぷり取り込みたいのに対し、
北からは出来るだけ熱の逃げを減らしたいからです。
しかしその結果、
対局する南と北の壁のバランスが
著しく悪くなってしまいます。
窓が多い南には壁が少なく、
窓が少ない北には壁が多くなってしまうからです。
その上一般的な2階建てでは、
当たり前のようにベランダを
家の南に家から突き出して設計しますが、
これは更に南側に大きな負担を
かけてしまうことになります。
これに加え
日当たりが良い南の屋根を中心に、
太陽光発電まで載せてしまおうものなら、
更なる負担をかけてしまうことにもなります。
✔地震に強く、住みやすく、使いやすい家のつくり方
地震に強い家にするためにも、
同時に耐震性の高い家にするためにも、
「平屋」をベースとして考えていただくことを
おすすめしています。
また弊社がご提案させていただくことが多い
「中庭がある家」を、
耐震性が悪いと勘違いされていらっしゃる
住宅会社の方も少なくありませんが、
これも完全に間違った認識です。
というのも中庭を作れば、
安定的に明るさを中庭から
確保出来るようになるため、
一般的な2階建住宅のように
外周に窓を沢山つくる必要がなくなり、
結果家の外周全てにバランスよく
壁をつくることが出来るからです。
耐震等級3を取得することも大切ですが、
そのためには基本的に地震に強い
バランスの良い家をつくることが
最も大切なことです。
そうすれば間取りに対する制約を
限りなく少なくすることが出来、
自由度たっぷりな開放感溢れる住まいを
つくることが出来ます。
ということで
家の基本は「2階建て」ではなく「平屋」
だということを覚えておいてください。
地震大国と呼ばれる日本では、
この考えが基本です!